トップ > 特集・連載 > 記事

ここから本文

特集

現実世界でRPG 広がる「LARP」瀬戸に専門店

 剣がひらめき魔法が飛び交うファンタジーの世界の登場人物になりきって物語や戦いを演じる「LARP(ラープ)」という遊びが、全国各地で広がっている。愛知県瀬戸市陶原町の「LARP GEAR(ラープ・ギア)」は、剣や鎧(よろい)などの装備を扱う全国初のラープグッズ専門店で、普及に一役買っている。

 11月中旬。同県豊田市内の静かな里山の奥深く。木々に囲まれた中で、革鎧を身に着けて短剣を手にした戦士や、ローブをまとった魔法使いが、突然襲いかかってきたゾンビと激しい戦いを繰り広げていた。

 月1回、ラープ・ギア店主のスティーブン・アンドリューさん(51)=名古屋市守山区=が主催する会の1コマで、物語の大筋はあるが、その中でどう動くかは各自の自由。この日は、カナダや米国などの外国人を中心に、日本人2人を含む10人ほどが参加し、日が暮れた後もストーリーが展開していった。

 参加者の1人で、ボードゲームが好きでラープを知ったという同県津島市の会社員高山裕次さん(36)は「一度は思い描いたことのある『ゲームの世界に存在する』ことを、リアルに体感することができて新しい世界が開けた」。弓矢を操る魔法戦士を演ずる、岐阜県美濃市の外国語指導助手(ALT)で米国出身のハーリン・レーンさん(28)は「物語がいいと演技するのが楽しいし、武器の弓を使うことも好き」と、飛び切りの笑顔を見せる。

 ラープ・ギアによると、ラープは1980年代後半に北米で始まったとされ、本場の欧米だけで数百を超すラープのグループがある。日本では、2013年に鎧装備で戦う「アーマード・バトル」の公式戦をするためのリーグができたころから広まり始め、関東から九州にかけて15ほどのグループが存在し、今も増えているという。

 カナダ出身のアンドリューさんは、95年に来日し、英会話講師や自動車会社勤務などを経て、今年4月に念願だった趣味の店を開いた。ラープが欧米ほど普及していない日本では、専門店は貴重な存在で、ラープ・ギアが開店するまでは、個人輸入がほとんどだったという。

 ラープ・ギアには、剣や弓矢、鎧や盾のほか、妖精にふんするための「付け耳」といった小物など約350点がそろう。いずれもデンマークの専門メーカーが手掛け、剣は初心者用の6千円程度から数万円まで。樹脂製で剣先は曲がるようになっていて安全性も確保している。

 「コスプレ」との違いについて、アンドリューさんは「野球とアメリカンフットボールほど違う」と強調。「アニメやゲームなどの既存のキャラクターになるコスプレと違い、ラープでは自分のつくったキャラクターになりきる。想像力でどんな人物にもなれるのが、ラープの魅力」

 「来店客が興奮しながら商品を見るのを眺めるのも、私にとっては喜び。ラープの楽しさをもっと多くの人に知ってほしい」と目を輝かせる。

 (問)ラープ・ギア=080(9557)8519

(吉本章紀)

 <LARP> 「Live Action Role−Playing game」(ライブ・アクション・ロールプレイング・ゲーム)の略。「ドラゴンクエスト」や「ハリー・ポッター」などで日本でもおなじみの西洋風ファンタジーの世界を演じるのが中心だが、現代を舞台にゾンビや吸血鬼を演じるグループもあり、楽しみ方は幅広い。

LARPグッズを手に魅力を語るスティーブン・アンドリューさん=愛知県瀬戸市陶原町のLARP GEARで

写真
 

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索

ラミツボツケイヤレマ゚ハモニオ