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社説

現金10万円 確実な給付への工夫を

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う全国民への十万円現金給付が閣議決定された。給付には申請が必要で、早く漏れなく行き渡る工夫が求められる。同時に給付後の追加対策も検討を急ぐべきだ。

 現金十万円は、インターネットか、郵送を通じた申請を経て給付する仕組みづくりが進んでいる。振込先の把握だけでなく、富裕層を念頭に給付辞退を期待した制度設計といっていいだろう。

 ただ素早い実施や給付漏れを防ぐための課題も指摘せざるを得ない。

 ネット環境が整っていない世帯は多い。その場合、郵送で申請書を受け取り、返送して給付を受ける段取りだろうが、混乱が予想され時間もかかる。自治体の事務負担も激増するはずだ。高齢者に限り申請によらない給付方法も自治体が選択できるよう求めたい。

 いわゆるネットカフェ難民などスマートフォンを持っていても、一定の住所や振込先がないケースも想定される。感染対策を徹底した上で、自治体で受け取る仕組みの実現を急いでほしい。

 今回の給付は十万円だ。収入を断たれたり激減したりした世帯ではすぐ底をつく。給付後間もなく次の対策を望む声は強まるはずだが、財源には限りがある。

 立憲民主党は、政府が断念した減収世帯向け三十万円も給付すべきだと主張している。予算額は一律十万円の半分を大きく下回り仕組みづくりにも時間的余裕はある。実現に向け検討してはどうか。

 政府は、コロナ対策として創設する地方への臨時交付金を、休業支援にも充てることを可能としたが、これは評価していいだろう。

 ただ自治体の実情はそれぞれ異なる。財源の使い道については、自治体の裁量を一層拡大すべきである。

 現金給付を軸とした緊急経済対策のためには赤字国債の増発が必要だ。すでに政府の財政赤字は国内総生産(GDP)の二倍以上に達している。

 国民生活が危機にひんしている以上、大胆な支出は当然だ。ほかに財源がない以上、赤字国債もやむを得まい。ただ膨張しすぎた借金のツケは後年必ずのしかかってくる。「国債をどんどん増やせ」との考え方は危機の中でもあまりに無責任だ。

 限りある財源をどう効率的に使い、コロナ禍で深く傷ついた暮らしを守り抜いていくのか。政府、国会、各自治体は知恵の限りを尽くさねばならない。

 

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